男はつらいよ~寅次郎の青春~

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宮崎県の小さな床屋さん、
意気地の無い師弟の失恋物語。

「あ~~あ、どっかにいい男おらんじゃろか
沖縄でん、北海道でんついて行くっちゃけんど・・・」

「お嬢さん、その男、この俺じゃダメかな?」
「聞こえたですかぁ?」
「フフ、そんな大きな声だしゃ、
表通り歩いてたって聞こえるよ」

そんな風に食堂で出会った寅さんと蝶子
蝶子は小さい床屋を営んでいる
「静かな町だねえ」
「どこ行くのぉ?これからぁ」
「さあ、どこ行こうかな」
「散髪してかんね、う~ん、だいぶのびちょるし」
散髪を終えると外はどしゃ降りの雨
蝶子の弟で、船乗りの竜介も出航をやめて帰ってきた
竜介はしばらくこの雨は続きそうだと言う。
寅さんは、しばらく蝶子の家で居候をすることにする。


ところで、寅さんの甥で櫻の息子の満男は大学生。
そのガールフレンドのはもう楽器屋に就職をして東京で寮生活。
ちょくちょく櫻の家で食事をしたりしている。
そんな泉は、いま一人で宮崎に来ていた。
友達のしのぶの結婚式に呼ばれたのだ。
式も終わり、泉はお城を観光していると、石段の上に寅さんの姿があった。
「・・・なんだ、おじょうちゃん?一人で観光か?それじゃな」
「あたしを忘れたの!?」
「え~っと、ど、どなたでしたっけねぇ、あっ!思い出した!
満男のガールフレンド!な、しみずちゃんだよ・・・おがわちゃんだ・・・い、泉ちゃん、泉ちゃん!!」

「ひどいわ、おじちゃま。ねえ、どうしてこんな所にいるの?」
「わかんねえんだ」
その時、一緒だった蝶子が現れ・・・
「寅さん!!帰りはこっちじゃが!」
「え・・・?あ!!・・・忘れてた」
「お知り合いね?」
「うん、そうなんだ、この子はね、泉ちゃんと言って・・・」
「おじちゃま、私の事ならいいのよ。それじゃ」
「え?・・・いや・・・ちょ・・・」
「寅さん,どうぞ、そんお嬢さんと、私は家に帰ってるから」
「え!・・・ちょ・・・ちょっと待ってよ」
2人にそっぽ向かれて、どちらも追いかけられない寅さん
つまずいたのをいい事に、そのまま大袈裟に足を怪我したフリをする
二人に付き添われ、救急車で病院に行く寅さんだった。


寅さんの怪我の知らせを聞いた満男は、
すぐさま飛行機で駆けつける ← 100パー、泉が目当て
その日は満男も泉も皆で蝶子の家にお世話になった
寅さんはその夜、満男と泉の事をねほりはほり
「おい、どうなってんだ、泉ちゃんとお前は?
立入った事を聞くようだけど、接吻はしたのか?」

「まだしてないよそんな事、妙な想像するのやめてくれよ」
「じゃあ、暗闇で手を握る程度か?」
「してない!!」
「なんだい、それじゃお前、泉ちゃんの事愛してないのか?」
「今の僕の気持を”愛してる”なんて、そんな簡単な言葉で言えるもんか!」
「ああダメだ、それじゃ愛してないのとおんなじだよ」
「どうして?」
「思ってるだけで何もしないんじゃなぁ、愛してないのとおんなじなんだよ
お前の気持を相手に通じさせなきゃ、愛してるんだったら態度で示せよ!!」

「どうすればいいんだよ?」
「そりゃお前、”愛してますよ”とか、抱きしめてやったりとか、
この意気地なし何もできねえんだからお前は!」

「よく言うよ、人の事だと思って!!自分はどうなんだよ!どうなってんだ?
あの色っぽい床屋のおばさんとの間は、立入った事聞くけどね、キスぐらいしたの?」

「この野郎!!テメエ伯父さんによくそんな口がきけるな!!
自慢じゃねえけど、俺は指一本だって触れちゃいねえぞ!!!」

「伯父さん、威張る事じゃないだろ、意気地が無いだけじゃねえか」
この後、我慢できなくなった寅さんは、甥っ子相手にマジ切れ。関節技でこらしめる。


翌日、海岸で過ごす4人
蝶子には昔プロポーズされた男性がいて、
店の扉をチリンとならしてその人が入ってくるのをずっと待っているのだとか。
泉はその事を聞き、満男に幸せについて語る
「私はそんな風に男の人を待つのはイヤ、大体、幸せが男の人だなんて考えも嫌い
幸せは自分で掴むの、待つなんてイヤ」
泉は確実に自分というものをしっかりと持ち始めていた。 ← ちょっと考えがリリー寄り
そんな泉をみて、戸惑う満男だった。

寅さんと蝶子は海を見ながら二人寄り添い「港が見える丘」を唄っている。
寅さんは、この後、満男達が帰り、竜介も出航してしまって、
あの家に蝶子と2人きりになってしまうことをためらっていた。
その気遣いから、寅さんも満男達と一緒に東京に帰る事を打ち明け、蝶子を傷つけてしまう。
「お蝶さん、一晩のつもりが、こんなに長い間お世話になって、お礼の言葉もねえ」
「帰っとね!?だったら何でもっとはよ言わんとね、朝ご飯食べてる時とか!!」
「みんな帰っちゃうと、あんた一人っきりになっちゃうだろ?なんだか気の毒で・・・」
「あっそうね!同情してくれたつね!どうもありがとう、あん店であたしが一人暮らすんじゃ
さぞ寂しいと、そう思ったつね!私がそんな可愛そうな女に見える?大きなお世話よ!
一文無しのあんたを同情してあげたのは私の方よ、帰んなさい!!勝手に帰ればいいわ
私は手間が省けてせいせいするわ!!さいなら!!!」

「あのう・・・お蝶・・・君はねえ、僕を誤解・・・・誤解してんじゃないか?」
「まったくなんだい、急に怒りだして。俺何か悪い事言ったか?泉ちゃん」
「おじちゃま気がつかないの?」
「ああ?」
「愛してるのよ!」
「誰を??」
「おじちゃまをよ!!」
「誰が???」
「あの、おばさんがよ!!!」
「馬鹿な事言ってんじゃないよ」
「裏切られたような思いをしたのよおばさんは、だからおじちゃまはここに残るべきよ」
「違う。伯父さんは帰るべきだ。伯父さんがここに残ったら、
もっと大きな悲劇が待ち受けるだけだ。そりゃ最初はいいよ、
伯父さんは人を笑わせるのがうまいし、楽しい人だからあのおばさんも幸せかもしんない。
けど、伯父さんは楽しいだけで奥行きがないから、一年もすれば結局飽きてしまう。
伯父さんはその事よく知ってんだ。だから帰る事を選択したんだ。そうでしょ?伯父さん」
 
「それは正しいかもしれない・・・」
「大丈夫?」
「だいじょぶかもしれない・・・」
とぼとぼ歩く3人、結局、蝶子が引き返してきて車で送ってもらったのだった。



東京に戻った3人
おばちゃんは、人一倍いつもいつも寅の安全を気にかけている人。
だから怪我しても無事に戻った寅を見るなり「どんなに心配した事か・・・」と泣き崩れた
でも仮病だったんですけどもね。
櫻はしきりに、寅が、階段を昇り降りできるかどうか心配してる
昔から恋して有頂天だったり恋煩いしたりすると、寅さんはあの階段でなにかやらかします
踏み外したり、歌い踊ったり、物投げつけたり、這い上がったり
それを見続けてきた櫻さんは無意識に、階段に注意が行くようです。
そういえば満男も階段からよく落ちる・・・

寅さんは言う「まだまだ、ひと山ふた山あるな、あの二人は・・・」
その言葉の通りに、泉と満男は、今までの関係ではいられなくなってしまう。
母の手術で名古屋に戻る事を決めた泉、
泉は今以上に自分がしっかりしなくてはならないと思ったのだろう
それは、自分が幸せを掴む為でもあるのだろう
そうしていつしか、泉と満男は、同じ歩調では歩んでいけなくなっていた事に気付く。
「ごめんね・・・」
「俺、結局なんの役にも立てなくて、泉ちゃんの周りをうろうろしてるだけの間抜けだったな」
新幹線発車間際、泉は満男に抱きつき、満男も泉を抱きしめる
そして、泉は満男にくちづけをして別れを告げた・・・

柴又駅、旅立つ寅を見送る満男は、ついに悲しみを抑えきれなくなってしまう
「伯父さん!!本当は俺、このまま伯父さんと旅に出たい気持なんだよ!!」
「馬鹿野郎!!お前には勉強があるじゃねえか、しっかりしろ!!」



下呂温泉で商売をする寅さんは、新婚旅行で来ていた竜介と再会する
竜介の話では、蝶子は突然結婚したんだという。
あの床屋のドアをチリンと開けて、蝶子を迎えにきた男の人と・・・



男はつらいよ~寅次郎の青春~
愛しているなら態度で示さなければならない
その時を逃すと、取り返す事が出来ない場合がある
愚かな師弟は、お互い、その事を受け止めなければならなかった。



ところで、
泉ちゃんよ、歌い手も曲名も分からないCDを買う時は店員に歌うしか無い。
私もちょくちょく店員に歌っているよ。そんなの普通 ( ̄‥ ̄)


泉の友達のしのぶの結婚式でのおじさん達の踊りが凄くいい
なんか見てるだけで楽しくなってくる。ああいう余興はいいものだなあ


「伯父さんは楽しいだけで、奥行きが無いから、一年もすれば結局飽きてしまう」
僕は、満男君のこの意見には賛成できない、
寅さんは、決して奥行きの無い人間じゃないし、
寅さんの惚れる女性は、そういう事で人を判断したりしないひと、
だから、飽きるも飽きないもない・・・と僕は思ってるかもしれない

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Weblog: シネマの箱
Tracked: 2007-01-07 23:09

映画評「男はつらいよ 寅次郎の青春」
Excerpt: ☆☆☆★(7点/10点満点中) 1992年日本映画 監督・山田洋次 ネタバレあり
Weblog: プロフェッサー・オカピーの部屋[別館]
Tracked: 2007-01-09 14:59